2025年7月12日(土)から2日間にわたり、中国人日本語教師スキルアップ研修会を北京で開催しました。対面式での開催は2017年以来であり、コロナ禍でのオンライン開催を経て、今年ようやく念願の現地開催が叶いました。
今回は、福建省、山東省、西安市、内蒙古地区、北京市等から、45人の大学や学院の教師、日本語学科専攻の学院生が参加しました。
研修会の開催にあたり、科学技術庁、中国国際人材交流協会、福建省、山東省、西安市、内蒙古自治区、北京市等の皆様にご協力いただきましたことを深くお礼申し上げます。
講師は、NPO法人日本スピーチ協会理事長である笈川幸司先生です。日本語教育の専門家であり、国内外で人気も実績もある方です。
研修会では、特にグループ練習が印象的です。グループ練習の際、まず「エイエイオー」と参加者が掛け声をかけます。その後3人または6人一組になり互いに練習し、発表し合います。最初は、相手を見ることができず、自信がなさそうな様子の方も、回数を重ねるごとに、どんどん声も大きくなり、皆さん活き活きとしてきます。
笈川先生は練習の際、質問に対して一言で終わるのではなく、1分でも1秒でも長く、自分の言葉で話すよう指導されています。自分の考えを相手に伝え、相手の話を聞き、相手を尊重する気持ちを持つことが大切であり、特に「相手を褒めること」は、教師の皆さんの多くが抱えている「やる気を持てない生徒の対応」に効果的です。教え子の興味や意欲を引き出し、日本語力の向上にもつながり、相乗効果を得られるとのことです。
研修会の締めくくりは参加者一人ずつの発表です。テーマは、「今回の研修会の感想」ですが、皆さん堂々としていてハキハキとした声で聞きごたえがありました。発表の中で、この研修会に対しての好評も沢山いただき、今回の研修会の成功を実感することができました
。
参加いただいた受講者の皆さん、2日間お疲れ様でした。それぞれの日本語を話す場面で、今回体験したことが活かされ、皆さんのお役に立つことを期待しております。
全体写真 修了証書と一緒に
グループ練習の様子
笈川先生とグループ練習
講義の様子
グループ練習開始前の「エイエイオー」
当財団は1986年の設立から中国研修生の受け入れを機に、国際人材の育成・支援等を目的として、国際協力に40年近くにわたり取り組んでいます。
この間当財団は様々な学習会、研修会などに「(公財)国際人材協力機構」(JITCO)の協力を得ながら随時開催しています(育成就労制度、特定技能制度の方針について講師による学習会など)。
JITCOは、技能実習生、特定技能外国人に関する業務に係る監理団体・支援機関、技能実習者(企業)等に対して広範囲な情報提供や制度理解のために、講師派遣などを行う総合支援機関です。
今年度監査活動(技能実習生)に関する実務者会議(8月22日開催)を開催した折に、JITCOからの取材を受けました。
JITCOが発行する総合情報誌「かけはし」(10月1日発行)の連載「なるほど! 好事例! 外国人材の現場から」に当財団の技能実習生などへの取り組みが掲載されます。
JITCOの情報誌への掲載は、全国にある監理機関(約3700団体)の中、当財団の特徴ある活動の一端を多くの読者に知ってもらう好機となります。外国人支援を通じた社会貢献、国際貢献に向けて、当財団役職員は一致協力して今後も取り組んでいきます。当財団の活動にこれからも注目してください。
JITCO講師によるオンラインセミナー
日本に来日する技能実習生にとって日本語の修得は、実習や生活する上で不可欠です。実習は母国及び来日後に研修センターで日本語や法令などの講習を受けます。
当財団が委託している全国の研修所(8施設)の中で、大阪研修所(泉南郡岬町)は空港からのアクセスと自然環境に恵まれた立地にあります。研修内容も日本語レッスンのみならず、社会人としてのマナー・規範を重視していることも特徴です。実習生の職種・国籍(13か国)も幅広く多いのですが、外国人職員や専門家による熱心で親身な指導で技能実習生の目的達成を支援しています。
研修所の一日の日程は別掲の通りですが、こうした研修所での安定した生活リズムが実習先(企業)でも生かされていきます。
歴史、文化、宗教などが異なる多様な背景を持って来日する技能実習生が自立して笑顔で実習生活を過ごせるために各研修所も親身にサポートしております。緊張や不安のある中、実習生の笑顔が研修所で広がっています。
1日の研修スケジュールの例
授業風景(日本語レッスン)
夕食の一例
ラジオ体操でリフレッシュ
㈲須藤硝子工業所(技能実習2号)
NGUYEN VAN THAI(グエン ヴァン タイ)
1991年生まれ
以前ベトナムでキーボードをさわった事がありましたが、まじめに勉強したのは今回が初めて!
須藤社長のご家族が以前使っていたキーボードを1年前に譲って頂き、好きな音楽をスタートしました。
仕事が終わった後、日本語の勉強と、夕飯の後はピアノの練習です。
今では、ベトナムの曲を10曲以上弾けるようになり、これからはベトナムの仲間の集まりでも披露したいと思っています。
バンドでキーボードをやっている小職から見ても大した腕前でしたョ!!!
当財団企業担当者 長村 潔
昨年に続き今年も、環境月間(6月)に併せ6月13日・14日に倉敷市児島の染色・洗い加工業者で組織する「児島地区環境保全協議会」(児島商工会)により同地区を流れる小田川など三つの河川や港湾で清掃活動が行われました。
(株)晃立では6月14日(土)午前7時~9時まで近くの小田川の河川掃除を行いました。会社からは総勢40名参加、技能実習生も数名参加し河川清掃に汗を流しました。実習生たちも地域の人々と協力し、地域の美化に貢献してくれました。
㈱晃立様 より
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、その最低賃金額以上の賃金を支払わなくてはならないとする制度です。
最低賃金の1つである地域別最低賃金は、①労働者の生計費、②労働者の賃金、③通常の事業の支払能力を総合的に勘案して定められます。労働者の生計費を考慮するにあたっては、憲法25条で定められた「国民(労働者)が健康的で文化的な最低限度の生活が営む権利を有し、生活保護に係る施策との整合性に配慮すること」とされています。
私たちが考える視点は、「地域別最低賃金は、働くものが健康的で文化的な最低限度の生活を営む時給です。ここ近年、毎年上昇しているのは、この最低限度の生活水準を維持するためであり、一般的な賃上げではありません。」また、「働くものは、1年毎の就労により技術等を習得していきます。働くもののモチベーションアップのためにも、当該年度の賃金(最低賃金)+αを人への投資のため毎年実施することが最低限必要です。」この2点をベースに働く環境を整えていくことが大切だと思います。
「蜂」